Weeklyマーケットレポート 2019/11/14~11/20

お知らせ

BTC/JPY

【1時間足チャート】


【直近7日間のレンジ】

BTC/JPY高値(Bid)安値(Ask)レンジ
11/14~11/20¥956,133(11/14)¥869,005(11/19)¥87,128
11/14(木)からのBTC/JPY相場は下値を切り下げる展開。11/15(金)日本時間21時頃に予定通り行われたBCHのハードフォークを受けてBCHは一時5%超の急落。BTCも連れ安となり93万円台まで下落、更にその後BCHがハードフォーク後に古いチェーンが採掘されたとの情報が出ると91万円台まで値を下げた。
11/18(月)には、中国国営テレビCCTC1の著名ドキュメンタリー番組「Focus Report(焦点訪談)」は最新の特番で、仮想通貨を「非合法的融資手段・未登録有価証券・金融詐欺・マルチ商法に該当する違法活動によるものだ」と批判すると、サポートラインとして機能していた91万円をあっさりと割込み、87万円台まで下落。
一方で、批判はBTCではなくICOを指していると考えられることから、マーケットは過度の混乱には陥っていない。10/24(木)の習近平中国国家主席は新たな国家的戦略としてブロックチェーンの国際的地位確保における政策方針の表明を受け、暗号資産市場は中国政府の暗号資産に対する態度が軟化していると見ていたが、今回のテレビ番組で中国政府の「仮想通貨ではなく、あくまでブロックチェーンを支持する」方針が改めて確認された格好だ。

【今後1週間の見通し】
世界で最も取引されている先物商品のひとつであるCME(シカゴマーカンタイル取引所)に上場されているEurodollar Futures(ユーロドル先物)価格から計算すると、現在のマーケットは今後1年での連邦準備制度理事会(FRB)による利下げを約1.3回織り込んでいる。
マーケットの利下げの織り込み回数は10月中旬以降のマーケットセンチメント好転を受けて低下しており、同期間の米株価、長期金利は上昇していることから、アセットクラス間で値動きの整合性が取れる展開となっている。
直近一週間には、パウエルFRB議長から「経済が軌道を維持する限り、現行政策は適切」、ウィリアムズNY連銀総裁から「経済は非常に好位置にある」「金融政策のスタンスは適切のようだ」との発言が聞かれ、また11/20(水)に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で大半の参加者が「経済に関するデータが経済見通しの大幅な見直しを必要としない限り(現在の政策スタンスが)続くだろう」とみていたことが確認され、早いペースでの政策金利変更懸念は後退していることから、マクロ経済、伝統的な金融商品の値動きの影響によってビットコイン価格が反転上昇する可能性は高くないと考えられる。
先週のWeeklyマーケットレポートで触れたように、マイニング難易度の調整等、暗号資産独自の材料に反応しやすい相場環境になると見られる。

1週間の予想レンジ 75万円~95万円


【日足チャート】


【長期トレンド】
先週のWeeklyマーケットレポートで言及した通り、引き続きディセンディングトライアングルの中での値動きとなっており、レジスタンス(抵抗線)となる800,000円を抜けると、下げ幅が加速する展開になる事が予想される。一方で、上値は、前回10月末の上昇時に$10,000(約1,090,000円)を明確に抜ける事が出来なかった$10,000が当面のポイントとなるだろう。
10月中旬にワシントンで行われたライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と劉鶴中国副首相による閣僚級協議において、米中貿易交渉の部分合意(第1段階の合意)期待が高まり、トランプ米大統領は10月15日に予定していた制裁関税の引き上げを先送りした。18年7月から続く関税合戦に停戦の兆しが見えたことから過度の貿易戦争への懸念が後退し、その後米国株は史上最高値更新を続けている。合意文書の署名は当初想定した11月中旬が困難となり、米政権が予定する12月中旬の制裁関税第4弾の発動が迫っているが、市場のセンチメントは現在のところ大きな変化は見られていない。
世界的な低金利環境下で消去法ではあるものの、緩和マネーがリスク資産である株式市場に向かっている現在の局面では、BTCにデジタルゴールドとして資産逃避先の役割を求める向きは限られるだろう。もっとも、10月のGoogleの量子コンピューターの量子超越性実証発表、習近平中国国家主席の「ブロックチェーン技術の応用は、新たな技術革新と産業のイノベーションにおいて重要な役割を担う。我が国はブロックチェーンのコア技術を自主イノベーションの需要な突破口として、力を入れていかなければならない」との発言等、暗号資産特有のニュースに反応して値が飛ぶ展開も予想され、金やソブリン債など既存の安全資産との価格連動性が低い状態が継続する可能性も高い。

今後3カ月の予想レンジ 60万円~130万円


【今週の注目記事】
CME Group
CME Group Announces Jan. 13, 2020 Launch for Bitcoin Options

記事の内容を要約・解説すると、差金決済のビットコイン先物を提供する米CMEは2020年第1四半期にローンチするとしていたビットコイン先物のオプションを1月13日にローンチすると発表した。現在、規制当局による審査待ち。ビットコイン先物のオプションの発表は9月末に行われ、10月末にはオプションの詳細が公開されており、準備は着々と進んでいる。CMEグループのティム・マッコート(Tim McCourt)氏は、「約2年前のビットコイン先物上場以来、クライアントはビットコイン先物市場における新たなヘッジ手段への関心を示してきた」と述べている。
現物決済されるビットコイン先物を提供するBakktも同様に、ビットコイン先物のオプションをローンチするとしており、CMEとBakktでのビットコイン先物の高いボラティリテティに対する有効なヘッジ手段として、投資家の裾野拡大とビットコイン市場の成熟への役割が期待される。

(Trading Viewのデータを基に弊社作成)

上図は、対USDでの金(Gold)とビットコイン(Digital Gold)のヒストリカルボラティリティの比較。
過去3年のデータを見ると、平均してビットコイン(Digital Gold)は金(Gold)の4倍以上のボラティリティがあり、価値貯蔵手段としてのビットコイン保有を難しくしている。
流動性のあるオプションマーケットの誕生は、今後、ビットコインのボラティリティ抑制に一定の役割を果たす可能性がある。具体例としては、ビットコインを保有する参加者がプットオプションを購入することで、一時的な価格下落リスクをヘッジし、評価損失を限定しながらビットコインを保有することが可能となるため、相場急変時のロスカットをある程度回避することができ、ビットコイン相場全体として一方方向への大きな値動きが抑制される可能性があるだろう。

2019年11月21日(木)
執筆 トレーディンググループ 石川 裕樹