【コラム】寄稿-仮想通貨の税金講座(1) 仮想通貨取引の確定申告【基礎編】

お知らせ

執筆者
藤村大生
株式会社Aerial Partnersビジネス開発部長
税理士・公認会計士

株式会社Aerial Partnersにて暗号資産投資家の確定申告サポート、暗号資産事業者に対する経理支援を行っており、暗号資産会計・税務の知見が深い。監査法人出身でデューデリジェンス、原価計算導入コンサルなどの業務を中心に従事。また、証券会社の監査チームの主査として、分別管理に関する検証業務を牽引。

導入
仮想通貨投資は少額から気軽に始めることができるという点で、これまで投資をしたことがないといった人も多く参入してきています。

これから仮想通貨取引を始めようと思っている方や、すでに取引を行っている方の中には税金について馴染みがなく不安に感じている方もいるのではないでしょうか?

今回は仮想通貨にかかる税金の概要を分かりやすく解説してきます。

仮想通貨取引による所得には税金がかかり、確定申告が必要になる
仮想通貨取引により年間で所得(利益)が生じている場合、基本的に確定申告が必要となります。源泉徴収、年末調整によって納税をしているサラリーマンであっても、仮想通貨による一定の所得がある場合は確定申告をして別途納税する必要があります。仮想通貨取引での所得が20万円以下の場合確定申告が不要と解説されている場合もありますが、実際には20万円以下であっても申告が必要とされるケースも多いので、注意が必要です。


分離課税じゃない?仮想通貨にかかる税金の特徴
株やFXなどは分離課税が適用されるため税率は約20%となっています。では仮想通貨にはどのような税率がかかるのでしょうか?ここからは仮想通貨にかかる税金の特徴を解説していきます。

給与所得や不動産所得など、様々な所得区分がありますが、個人での仮想通貨取引による所得は原則として雑所得に区分されます。

雑所得は総合課税のため、給与所得などの各種所得と合計した金額に対して課税されます。株やFXによる所得は他の所得区分の所得とは分離して課税されるという点で大きな違いがあります。

また、雑所得は所得が大きくなるほど税率が高くなる累進課税で、最大で約55%(住民税を含む)の税率が課されます。

(国税庁HPより引用)

その他にも、損失が出た場合、他の所得区分の所得と相殺できない(損益通算禁止)ことや、生じた損失は翌年以降の利益と相殺できないといった特徴を持っています。

課税タイミング
仮想通貨取引を行う上で注意しなければいけないのは、課税対象となる所得が発生するタイミングが取引によって異なるという点です。

ここからは、2018年に国税庁より公表された仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)を参考に仮想通貨取引の中で課税対象となる所得が発生するタイミングを解説していきます。

仮想通貨を売却した時
仮想通貨を売却するとき、売却価格がその通貨を取得した価格よりも高ければ、その差額が所得となり課税の対象となります。例えば、50万円で購入したBTCを100万円で売却した場合、差額の50万円が所得となり、税金が発生します。


仮想通貨で決済した時
最近、家電量販店をはじめとして仮想通貨で商品・サービスを購入できるお店が増えてきています。そのような店舗において仮想通貨を利用して決済をするときも課税対象となる所得が発生することがあるので注意が必要です。

例えば、50万円で購入した1BTCの時価が60万円になったとします。そのタイミングで60万円のテレビを1BTCを支払って購入した場合、10万円の所得が発生し、課税対象となります。

これは、1BTCを一度売却して日本円に換金し、その換金した日本円でテレビを購入したという取引と同じになるためで、BTCを売却する際に所得が発生します。

60万円(商品価格)ー50万円(BTCの購入価格)=10万円(所得額)


仮想通貨で他の仮想通貨を購入した時
BTCでETHを購入するなど、仮想通貨で他の仮想通貨を購入する際にも所得が発生することがあります。この取引においても、上の「仮想通貨で決済した時」と同様、仮想通貨を一度売却して日本円に換金してから他の仮想通貨を購入するという取引と同じ扱いになります。そのため、仮想通貨の時価が取得時よりも上がっている場合は所得が発生し、課税対象となります。

これらの例の他にもマイニングによる報酬で仮想通貨を取得した時や、ハードフォークによって新しい通貨を取得したときなど、所得が発生するタイミングは取引によって様々です。

気づかぬうちに所得が発生していたけど申告をしなかったということがないように、取引を行う中で所得が発生するタイミングを確認しておくことが重要です。

コラム:海外取引所の利益はどうなる?
仮想通貨取引を行う中で、海外の取引所を利用される方も多いのではないでしょうか?では海外の取引所で利益を出した場合どのように課税されるのでしょう?

日本在住の場合、海外取引所を利用して利益を出した場合でも、日本の税制に従って課税されます。そのため、確定申告のための損益計算をする際には、海外取引所の取引履歴も含めて計算する必要があります。

また、海外での取引なら、確定申告をしなくても申告漏れを指摘されることはなさそうと思われがちですが、日本の取引所から海外取引所へ送金した履歴や、クレジットカードの履歴などから申告漏れを疑われる可能性は十分にありますので、一定の所得がある場合は必ず申告しましょう。

まとめ
仮想通貨にかかる税金
  • ● 仮想通貨取引により利益を得た場合は基本的に確定申告が必要
  • ● 所得額が増えるほど税率が高くなる累進課税で、最大で約55%(住民税を含む)の税率が課される
  • ● 取引によって課税対象となる所得が発生するタイミングが異なるので注意が必要
確定申告が遅れた場合や申告自体しなかった場合にはペナルティが用意されていますので、仮想通貨による一定の所得がある場合は、必ず期限内に確定申告をして納税をしましょう。

※本記事は、エアリアルパートナーズ様による寄稿記事となります。本文にかかわる諸事項につきましては、下記のお問い合わせ窓口、もしくは税理士等の専門家にお問い合わせください。

株式会社Aerial Partnersが提供する仮想通貨の確定申告サポートサービス

仮想通貨の損益計算ソフトGtax
https://crypto-city.net/

仮想通貨の確定申告フルサポートサービスGuardian
https://www.aerial-p.com/guardian/