【コラム】寄稿-仮想通貨の税金講座(2) 仮想通貨取引の確定申告の手順について

お知らせ

執筆者
藤村大生
株式会社Aerial Partnersビジネス開発部長
税理士・公認会計士

株式会社Aerial Partnersにて暗号資産投資家の確定申告サポート、暗号資産事業者に対する経理支援を行っており、暗号資産会計・税務の知見が深い。監査法人出身でデューデリジェンス、原価計算導入コンサルなどの業務を中心に従事。また、証券会社の監査チームの主査として、分別管理に関する検証業務を牽引。

導入
仮想通貨取引で利益を出したけど、実際に確定申告をしたことがなくて不安という方は多いのではないでしょうか?今回はそんな初めての方のために仮想通貨の確定申告の手順をわかりやすく解説していきます。


確定申告の流れ
仮想通貨取引による年間の所得がある場合は、基本的に確定申告をして納税する必要があります。ここでは、仮想通貨の確定申告の大まかな流れを説明していきます。

仮想通貨の損益計算

申告書の作成・提出

納税


確定申告をするには、まず、損益計算を行い、仮想通貨取引による年間の所得額を確認することが第一ステップとなります。

損益計算で仮想通貨取引による年間の所得額を確認できたら、確定申告書の作成・提出を行います。また、仮想通貨の損益計算は移動平均法・総平均法の2種類の計算方法のうちどちらかを選択して計算を行うのですが、確定申告期日までにどちらの計算方法を選択するかを税務署に届け出する必要があります。

確定申告が完了し、支払う税額が確定したら納税をして完了となります。


仮想通貨の損益計算

移動平均法・総平均法とは
上でも少し触れましたが、仮想通貨の損益計算では「移動平均法」「総平均法」という2種類の計算方法があり、確定申告の際はどちらかの計算方法を選択する必要があります。


移動平均法
移動平均法では仮想通貨を購入するたびに単価を計算する方法です。計算が比較的複雑になりますが、体感に即した計算結果になるという特徴があります。

総平均法
総平均法は期間内に仮想通貨を購入した金額の合計から単価を計算する方法です。計算は比較的シンプルですが、体感とは乖離した計算結果になることがあります。


2種類の計算方法の大きな違いは、取引ごとの単価計算方法です。単価の計算方法が異なるため、同じ取引内容でも異なる損益額になることがあります。

両方の計算方法を使った場合の損益額は、単年度では異なりますが、将来にわたって生じる損益額は同じになります。


また、2019年度の確定申告から、どちらの計算方法を選択するかを税務署に届け出することが必要になりました。確定申告期日までに、書面により所管税務署長に届出をする必要があります。

▽詳しくはこちら▽

国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/21kasou.htm

計算方法を一度選択すると、3年間変更することができないため、損益額が低い方を毎年選択するといったことができません。最初の選択時の判断が重要となります。



実際の損益計算方法
では実際に損益額を計算するにはどうすればいいのでしょうか?

国内の仮想通貨取引所の多くでは取引報告書が発行されており、そこに年間の損益額が記載されています。しかし、この損益額は総平均法での計算結果であり、さらに複数の取引所を利用している方やマイニングなどで仮想通貨を取得している場合は、正確な数値とは異なるため、確定申告書にこの数字を記入することはできません。

また、取引履歴を収集してエクセルを使い自分で計算することもできますが、こちらは計算が非常に難しく、複数の取引所を利用している場合や取引件数が多い場合は更に複雑になり、税理士でも苦労するほどです。

そのため、仮想通貨の損益計算は税理士などの専門家におまかせするか、Gtaxなどの仮想通貨の損益計算ソフトを活用することをおすすめします。



損益計算を行う上での注意点
仮想通貨の損益計算を行う上で重要なことは、利用しているすべての取引所やウォレットの取引履歴を網羅的に収集することです。これは損益計算ソフトを利用して計算する場合でも税理士などの専門家に計算を依頼する場合でも同じです。

取引の履歴が一つでも抜けていると正確な損益結果が出せなくなる場合があります。

取引所によっては取引履歴を数か月分までしか遡って取得できないところや、取引所の閉鎖などによって、取引履歴自体手に入らなくなってしまうこともあります。取引履歴はこまめに取得しておきましょう。


コラム:経費について
仮想通貨取引を行うために要した費用は経費として認められる可能性があります。経費として認められる可能性があるものとしては、取引のために購入したパソコンなどの購入費用や、セミナーなどの参加費や書籍代などが挙げられます。しかし、経費として認められる範囲については税務的な専門知識が必要なので税理士に相談することをおすすめします。

計算が終わったら確定申告をして納税
損益計算をして仮想通貨取引による年間の所得額が確認できたら、確定申告書を作成して期限までに提出します。2019年度の確定申告期間は2020年2月17日(月)~2020年3月16日(月)です。

確定申告は税務署で受け取ることができる紙の申告書を用いるか、オンラインで申告できるe-Taxを利用できます。申告書を提出すると納税額が確定するので、決められた期限まで納税します。


納税資金を確保しておきましょう
仮想通貨は価格変動が激しく、短期間で価格が大幅に上昇 / 下落することがあります。そのため、納税資金を仮想通貨で保管しておくと、通貨の価格が暴落した場合に税金の支払いができなくなる可能性があります。

実際に海外では、約1億円の利益を出した学生が相場の下落の影響で資産が約1,400万円となってしまい、税金の支払いが難しくなったという報道が話題になりました。

こういった事態にならないように、仮想通貨で利益を出した場合は、日本円で納税資金を確保しておくことが大切です。


税理士にお願いすると安心
税理士に確定申告をすべてまかせることもできます。費用こそかかりますが、煩雑な仮想通貨の損益計算・確定申告をすべておまかせすることで、時間を大幅に短縮することができるだけでなく、税理士に署名・捺印してもらうことで税務調査の対策にもなります。

しかし、仮想通貨は普及して間もないため、仮想通貨税務に精通した税理士はまだ少ないといった現状があります。申告期限直前になると仮想通貨の確定申告を頼める税理士がさらに少なくなるため、早めに確定申告をお願いできる税理士を探しておきましょう。


※本記事は、エアリアルパートナーズ様による寄稿記事となります。本文にかかわる諸事項につきましては、下記のお問い合わせ窓口、もしくは税理士等の専門家にお問い合わせください。

株式会社Aerial Partnersが提供する仮想通貨の確定申告サポートサービス

仮想通貨の損益計算ソフトGtax
https://crypto-city.net/

仮想通貨の確定申告フルサポートサービスGuardian
https://www.aerial-p.com/guardian/